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奇跡 【ケロロ軍曹】

第6章 遠き想い出




利己的な感情、それにとらわれた時点で

既に、心は曇り…大事なものを見失っていた…


生きとし生けるものとして

本来あるべき姿とは…


相手を慈しみ、労わり、尊び、愛し、全てを許し

ありのままに受け入れ、解り合おうと、護ろうとすること…


どんな人だとしても、行為ごと受け入れ

その幸せを願い、心から救おうとする心…


それこそが

人として、取るべき行動であると同時に


あるべき姿の本質…



それを見失い、己のことばかり考えれば

それは偏りを生み出し、負に染まっていく…


それ故、穢れを生じ…

清らかな存在、神の力を持つそれが見えなくなった…



真善美(しんぜんび)という


『真に向き合う行動に伴う、嘘偽りのない真

生きとし生けるものを『想い』、善きことを行う善

それらを大切にしようとする『愛』に伴う、行動による美』


それらに関することは全て、『神の御業』と呼ばれ

神によって創られたものの証として、今も遺されている…



その心失くしては、力を正しきことに使えないと


そんな意思を…

その力を日本刀ごと受け取った恵土は、感じ取っていた…



そうして…

武術で殺そうとしても、全くかなわないことから…


武術としてではなく…

一方的な暴力、暴言の日々へと入っていった…



だが、両親の方は…

恵土の想いが強過ぎるが故か、全く無効化されていた…


恵土の授かった、白き光の清らかな神の力によって…



そうして、8歳の誕生日まで


今までに向けてもらっていた、清らかな笑顔から


現在の、黒く染まりはてた顔と表情を見て

悪意以外感じられないほどのものを見せられ


恵土は、塞ぎ込みがちになっていた…


もともと、より強く

相手の感情を感じ取ってしまうためとも考えられた…


それから…

両親が、説き伏せていた…

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