第5章 涙
あれから一週間が経った。
中日コンクールは見事金賞を取ったが
惜しくも代表には届かなかった。
そして、今ー。
音楽室にて、先生の話を聞いていた。
だいたいの人は、泣いていた。
もちろん悲し泣きだ。
そう。全日コンクールは金賞代表には
遠く及ばず、銀賞だったのだ。
ただ、さくらは泣くのを我慢していた。
今にも溢れそうな涙をぐっと堪えながら。
「結果、銀賞っていうのをつけられたけど 今までの
努力は変わらないと思う」
いつも、バカにしている先生が その時は
輝いてみえた。
ふと、今までの辛い練習を思い出す