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Toloveる ~哀蒼~

第2章 会


「ちょっとそこ!!何してるのよ!!」
「ゲッ…面倒なやつがきたぞ…」
「ちっ…おい、ずらかるぞ」
「ま、待ちなさい!!」
「あぁーうっぜぇ……」
「…………!!」

古手川はいつも学校の帰り中に周辺を見回りしていた
それは生徒が悪行をしないか、また困っている人がいないか
などの為パトロールしていたのだ
今日もまたいつも通り街並みを歩いていると他校の生徒が彩南の生徒を恐喝、もといカツアゲしている現場に遭遇した
その生徒達は周辺でも悪いグループで、そのグループからしたら古手川は邪魔な存在だったのだろう
それをいつも通り注意した、でもいつも通りの言葉に追いかけて注意する事も出来ない
これが……彼女のいつも…なのかも知れない
何度も言われたその言葉に古手川は足が動かなくなっていた
「……(私……何か間違ってるのかな…)」
彩南の生徒は今の隙に逃げたようだった
助けようとして、注意して、「うざい」と言われ、結果として助けれて、感謝もされず、この日常に古手川でさえも心に痛みを感じた


「何してるのあなた達!!減点です!」
「ちっ……」


「こんな物学校に持って来ていいと思ってるの!?」
「あーあ、面倒くさっ」

あの日からも古手川は叱り続けた、自分は間違って無いと信じて
しかしその度に吐きかけられる辛辣な言葉


「ねぇねぇ、最近さー古手川ってうざくない?」
「わかるー!まじうるさいんだけど」
「どうせ先生にアピールしていい子ぶりたいだろ」
放課後、職員室に書類を提出した後に、教室に忘れ物をした事に気付き、取りに向かった時
偶然にも同じクラスの男子と女子の話を古手川が聞いてしまった
「まじうざいよねー」
「!!!!」
古手川は教室の扉の前、動けなくなっていた
「俺あーゆう奴嫌いだわ」
「ぁ……ぁ…」
「はやく消えればいいのに」


古手川は走り出していた
足が、体が重たい
頭が痛い
肺が締め付けられる
でも、あの場にいる方が辛い


あれだけ走ったのに息が上がらない
なのに心臓の音は大きく響く
「うっ…うぁ……」
冷たい雫が両頬を流れる
どれだけ、どれだけ頑張っても何も変わらない
それどころか嫌われている事に気付きだした
その事実にもう古手川は耐えられなかった
「ひっく……ぅぐ……(もう……イヤ……!)」


「君…大丈夫……?」





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