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セイレーンの歌【ONE PIECE】

第6章 戦いの中で




続々と倒れる仲間たちにアイフリードは分の悪さを悟った。

(ローが覇気使いとは予想外…。一度出直すか。)

覇気使い相手では何人束になっても太刀打ちできるものではない。

「お前ら! 撤退だ!!」


撤退命令後、彼らの行動は早かった。
まるで蜘蛛の子を散らすかのように素早く動いた。

ものの数分で敵船は後退していった。

(まあ、いいさ。今回はほんの小手調べ。だが、次に会ったときには…。)

狙った獲物は逃がさない。
略奪王の名にかけて。




「ざまァみやがれ!アイツら、逃げて行きますよ…って船長?」

ローは敵船など視野にも入れていなかった。

驚きと期待を胸に、彼女の下へと歩む。

「モモ?」


「ロー…。」


間違いない。
彼女は今、確かに自分の名を呼んだ。

ずっと聞きたかった、愛する人の声。
想像していたよりも、ずっと可愛い。

「ロー、わたしの声、聞こえる…?」

「ああ。」

声が届く。
そんな当たり前のことが、こんなに嬉しいなんて。

微笑む目尻から涙が零れ落ちた。

座り込んだままのモモをフワリと抱き上げた。


「ようやく聞けたな、お前の声。」

「ロー…。」

「もっと呼べ、もっと聞かせろ…。」

聞くことができなかった時間を埋め尽くすくらい、たくさん。


「ロー、わたし、嬉しい…。」

「ああ、俺もだ。」


あなたに声が届く。

あなたにできることがある。

それがこんなにも嬉しくて、切ない。

この気持ちをなんと呼ぼう。

なんて呼んだらいい…?


あなたが…--。




「モモー!ボクの名前も呼んで!」

「ベポ…。」

「嬉しい! これからもっとたくさんお話できるんだね!」

「モモ! 俺も、俺も…ッ」

「いや、俺が先ッス!」

「シャチ、ペンギン…!」

「た、たまんねぇ~ッ。女の子から呼ばれるって最高!」

「萌えるッスね…ッ」

我先にとモモに詰め寄る仲間たちを見て、ため息を吐く。

「オマエら、もっと空気ってもんを読めねェのか…?」

残念ながら、この船にそんな気の遣える者はいない。

(まぁ、いいか…。)

腕の中の彼女が、とても幸せそうだから。



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