第4章 初デートは×××
(それでなくても、別れたせいでエッチおあずけだったし……)
中途半端に火照った肌が疼く。
快楽を一度でも知ってしまうと、その先を期待せずにはいられない。
(でも……このまま流されて良いの?)
鈴花の中で微かに残った理性が訴えかけてくる。
目の前にはイケメン。
もて余す欲求不満の身体。
理性と本能が天秤に掛けられて、虎之助の甘い誘惑に鈴花の本能が傾きかける。
だったらいっそ、流されてしまっても――
「満更でもない顔してるな?」
「……っ」
唇が僅かに離れ、鈴花の唇の表面を虎之助の舌先がぺろりと舐め上げた。
囁く語調は笑い混じりで、彼が面白がっていると分かる。
(なんか……悔しい)
彼の手の内で転がされるだけの自分。
元々呼び出したのはこちら側だとはいえ、弄ばれてばかりの現状には納得がいかない。
鈴花の中の変な女のプライドが刺激された。