• テキストサイズ

彼氏アプリ

第2章 ~1日目~


 

掴まれたままの腕を更に引き寄せられ、バランスを崩す。


――ドサッ。


シーツの上に散らばる鈴花の髪。

拘束された両手首。

ふと気がついた時には、虎之助によって布団の上へと押し倒されていた。



「……こういう風に」

「ん…っ」



首筋に吐息を吹き掛けられ、耳の裏からうなじ辺りまでを舌先がなぞる。

最後に軽く肌を吸われて、ゾクリと背筋が震えてしまうのを鈴花は抑えられなかった。



「俺だけを見て、俺だけを感じろ」



首筋から顔を上げた虎之助と視線が交わり、抵抗も忘れて瞳に映し出された自分を見る。

彼の瞳はまるで檻のようだと、鈴花は感じられずにはいられなかった。



(……囚われる、全て)



それは、確信めいた予感。

うなじの辺りに散った薄い朱の痕跡は、鎖で繋がれた見えない手錠か。






はたまた、波乱の幕開けか――

 
/ 43ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp