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ハコの中の猫 【黒執事R18】

第6章 最終話


「セバ、ス、―――、チャ、さ―――?」
 熱い。からだが熱い。もう、からだはどうしようもないくらいに熱くて、液体を垂れ流して、すごいことになってる。気持ちよくて、意識が飛びそう。頭の僅かな部分を残して、私はもう、おかしい。
 だからなのかな、セバスチャンさんの瞳が、随分と紅い。前に、ジュエリーショップでルビーを見たことがあるけど、そんなもの比べ物にならない位に、綺麗。


「なるべく、痛く無いようにしますね。」
 獣性を覆い隠すような優しい声音。ああ、そうか。セバスチャンさんは、――――そういうこと、ね。

 不思議と怖くはなかった。
 それどころか、不思議と私の口角は上がっていた。

「―――ん、ありがとう、ね。」


―――――だって、わたし、おんなとして―――――



 わたしは、最期まで消え残った思考をとうとう手放しながら、目を閉じた。



Fin.
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