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ハコの中の猫 【黒執事R18】

第3章 第3話


「そうですか。いえ、結衣さんは真面目ですね。それに純粋です。」
 まさかとは思うが、いや、もうこれは確実。セバスチャンさん、私のこと―――
「セバスチャンさん、私とのことからかってました?」
「ええ。」
 特に悪びれた様子を見せることも無く、素敵な笑顔を顔に張り付けているセバスチャンさん。もしかしたら、私が(セバスチャンさんの圧力に抗うことができずに)一生懸命頭を働かせていた様子を見て楽しんでいたのか。そう思うと、さすがに少しムッとした。
「ちょっ、それってあんまり――――」
 それってあんまりじゃないか、趣味が悪くないかと言おうとした瞬間、セバスチャンさんの涼しい声に遮られる。
「一生懸命に答えを探す貴女が、あまりに可愛らしかったものですから。」
 私の言葉の続きは、セバスチャンさんの声の中に、溶けるようにして迷子になってしまった。
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