第1章 憧れ
『いたっ!!』
どこからか飛んできた石ころが額に当たって血が流れてきた。
リーデルはどっか行け!!
この国から出て行けー
汚らわしい!!捕まえて火あぶりにするんだ!!
今日も人々は残酷だ。
私は人からの蔑みの目が怖くてその場から逃げ出した。
ハアハア・・・
そのくらい走ったのか分からない。
いまどこだかも分からない。
自分の家もない路地裏でその日暮らしの生活をしてきた私にとってお城を見上げるのが唯一心を落ち着かせる行為だった。
(今頃お城の中では新しいプリンセスのお祝いパーティでも開かれているのかしら?)
昔の落ちていた本で見たことがある童話の絵本にあった舞踏会を思い出す。
(綺麗なドレスを着ておいしい食べ物を食べてとても素敵な旦那様と踊りを踊っているんだわ)