第10章 マジバ【火神 大我】〈アンケート〉
→じゃあ、一緒に帰ろ。
柚からの誘いで、一瞬だけ目を丸くさせる火神だったが、すぐに満面の笑みを浮かべる。
「あぁ。俺もお前に声を掛けたかったところだ。帰ろうぜ。」
火神は、どうやら柚からの誘いがとても嬉しかったみたいだ。コクコクと頷く柚は、火神と一緒にマジバを出るのだった。
本来ならいつもアルバイト帰りは、1人で帰っている柚だったが、今回は違う。隣には、火神がいた。誰かと一緒に帰るというのは、柚にとっては久しぶりのようだった。
「ほら。」
火神は、いきなり柚に何かを渡す。その何かと言えば、火神が頼んだマジバーガーだった。受け取った本人である柚は、慌てる。
「気にすんな。腹減ってるだろ?お疲れ。」
火神らしい気遣いだったので、柚はクスと笑みを零しては火神にお礼を言う。その瞬間、僅かに頬を赤く染める火神だったがどうも嬉しそうだった。
「待ってたかいがあったみてぇだな…。ま、お前1人にすると心配だからな。バイトある日は、俺に声を掛けろよ。送ってやっからよ。」
マジバ【火神 大我】
〈END〉