第9章 距離感【笠松 幸男】〈アンケート〉
海常高校のバスケットボール部は、マネージャーなどを雇ってはいなかった。その理由は、集中が出来なくなるという。それだけだはなかった。
今回は【キセキの世代】…黄瀬涼太が入った。更に、黄瀬はモデルという事で女子が騒ぎ出すから尚更、雇えない。
しかし、ある女子は海常高校のマネージャーになった。その人物が松山柚だった。これは、バスケ部の監督から指名されて入ったらしい。
それも黄瀬のお気に入りの柚。柚は、1人でテキパキとマネージャーの仕事をこなしている。
「休憩だ。しっかりと水分補給しておけ!」
「「「はい!」」」
そして、バスケ部員の休憩が入る。その指示をしているのは主将の笠松だった。柚は、1人1人にスポーツドリンクを渡していく。柚は、黄瀬に渡すといきなりキラキラと目をさせる。
「ありがとうっス!柚っち!」
柚は、微笑んで頷く。その微笑みが、部員にとっては癒やされだった。そして、柚にある最後の一本を笠松に渡そうとする。
「あ、あああありが、とうな!」
女子が苦手な笠松は、毎回ドリンクを貰う際に、かなり焦っては言葉もまともにならない。