第7章 生徒会【赤司 征十郎】
2人の共同作業が始まる。生徒会の人ではない柚でも、赤司の説明が分かりやすかったのか、テキパキと作業をする。それを見ていた赤司は、嬉しそうに頬を緩める。
「お前は、理解が早いな。そういえば、お前の名前って確か…松山柚だったよね?」
赤司からまさかの柚の名前を当てることに驚きを隠せない。お互いに、初対面だから分からないはずだった。それを当ててしまう赤司。
柚は、驚きながらもコクコクと首を縦に振ると、赤司はやっぱり…と呟くように言っていた。
「あぁ、自己紹介がまだだったね。オレは、赤司 征十郎だ。お前とは、一度でもいいから話してみたかったんだよ。噂によれば、頭が良いとも聞いたからね。」
赤司の言葉に、柚は手を左右に慌てて振る。その様子から赤司はクスと笑うばかりだった。赤司と柚は、別々のクラスだ。
しかし、赤司のクラスでは柚は頭が良いという評判があった。それを聞いていた赤司は、柚に会ってみたいと思っていたのだった。