第6章 お菓子【紫原 敦】
同じクラスにいた紫原が、柚に近付く。その理由は…。
「ねぇ~…、もしかしてお菓子持ってない~?」
紫原から突然と話し掛けられた柚は、最初驚いていたがよくよく頷き自分の鞄からプチケーキを取り出す。
紫原に見せ付ければ、彼は目をキラキラと輝かせる。その様子から柚は、クスと笑い持っていたプチケーキを紫原に渡す。
「ありがとう~柚ちん。」
プチケーキを受け取った紫原は、満面の笑みを浮かばせてその場で食べ始める。よほど、お菓子が食べたかったと言えるだろう。
柚は、コクコクと首を縦に振る。幸せそうに食べている紫原を凝視する柚。その視線に気付いた紫原は、食べるのを止めて柚を見る。
「ん~?な~に?どうしたの~?」
ずっと紫原を見ていたの事に気付いた柚は、慌てて首を左右に振る。どうやら、無意識だったのかもしれない。
「ふ~ん。ねぇ~、他にもお菓子作れる~?」
まさかの紫原からの質問に柚は、驚きの表情を見せるが、それでも頷いてみせれば紫原の顔色が変わった。