第3章 部活【黄瀬 涼太】
→他の人に渡す。
柚は、迷ったすえ近くにいた虹村にスポーツドリンクを渡す。
「あ、悪いな。マネージャーの仕事は、慣れたか?」
虹村は、柚からスポーツドリンクを受け取り飲み始めて、柚の事を心配する。柚は、コクコクと頷く。
「そうか、大丈夫か。ま、赤司が連れて来たから問題ないと思うがな…。」
虹村が、そんな事をいいながらふと柚と目線が合ったとき、あ…と虹村が声を僅かに漏らす。その理由は…。
「柚っち~~!!」
柚の後ろから勢いよく抱き付く黄瀬の姿。前に倒れそうになるが、足に力を入れて頑張って耐える。
「なんで、オレに一番に渡してくれないんスか?」
「おい、黄瀬。柚が辛そうだぞ…。」
僅かながら黄瀬の重心が柚に、伝わり一生懸命、それを耐えながら柚は黄瀬に謝る。その時、黄瀬は僅かに口元を吊り上げて、柚の耳元で囁く。
「じゃあ…お詫びに、オレと放課後2人でどっか出掛けようっスね。拒否権は、なしっスよ。」
黄瀬の吐息を感じながら柚は、ひたすら頷くしかなかった。
部活【黄瀬涼太】
〈END〉