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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第1章 新たな場所で


女子テニス部には私の居場所なんてなかった

強い奴もいなかった

男子テニス部ならあるいは――――

「どした?吉野」

桃の気の抜けた問で私は我に返る

「いや、なんでもない。…あ、そうだ」

私は先ほどポケットへ入れた入部届けの用紙を取り出すと、それを書きながら桃に頼む


――――男子テニス部への入部を希望します。
吉野 真琴。――――

「桃、悪いんだけどさ。放課後テニス部に案内してくんない?」

私は入部届けを見せた

入学前に顧問の竜崎先生と、新部長の手塚国光先輩には挨拶をしてある

勿論、私の事情も説明済みである

それを受け入れ、迎え入れてくれた二人には感謝をし尽くせない

私はそれに答えなければならないのだ

「「え?!」」

二つ分の声が重なった

不思議に思い、桃とは反対の方へ目を向ける

私の右隣には深緑のバンダナを被った男が驚いた顔付きでこちらを見ていた

「えーっと?」

説明を求める様に桃を見るとニヤリと笑っていた

「驚くよなぁ、驚くぜー。そんな細身でなあ」

全くもって説明になっていない


「こいつは海堂薫。テニス部」

海堂という名の彼は、無言で頭を軽く下げた

「吉野。ちなみに俺もテニス部。よろしくなー」

なるほど。二人のリアクションの意味がわかる

「二人ともよろしく」

すごくわくわくしている

二人の筋肉の付き方はすごい

一体どんなテニスをするのだろう?

テニスという共通点を見つけたことにより話が盛り上がり、あっという間に放課後になった

入部届けは昼休みの間に竜崎先生に提出してある

「ももー、行こうぜー」

早くテニスがしたい


こうして俺の青学でのテニスが始まった――――
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