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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第7章 女帝


切原「そろそろ戻ろうか」

赤也は随分穏やかな声で私に声をかけた

「そうだね」

私の声も随分穏やかだった

階段を黙って下る

明日になったらまた元通りに戻る、その為に

真田「ん?二人で何をやっておるのだ?」

運悪く、真田さんと鉢合わせてしまった

切原「屋上に行ってたんスよ。星、綺麗でしたよ」

そう言葉を発する赤也の後ろへゆっくり被る

今、私はサラシを巻いていない

見られるわけにはいかない

真田「む?どうした、吉野」

ギクッ

「え?どうもしませんよ?真田さんは何してるんすか?」

当たり障りなく言葉を返す

広げてどうする

言った言葉は撤回出来ない

真田「洗濯室に行こうかと思ってな。先ほど洗ったんだが柳に呼び出されたので一度離れたのだ」

私のポジションに疑問を持っているのか、疑いの眼差しを向けながら答えてくれる

「そ、そうでしたか。俺達は部屋に戻るので。行こう赤也」

白々しすぎる

自分でもそう思いながら赤也の背を押す

切原「あ、ああ。行くか」

赤也も合わせてくれ、なんとか切り抜けた

と、思っていた時期が私にもありました

真田「いや、待ってくれ」

私達の背に再び声が掛かる

「………はい。」

なるべく顔だけ真田先輩の方へ向ける

真田「確認したいことがあってな。俺の部屋で待っていて欲しいんだ。出来れば赤也もだ。」

「「………わかりました。」」

思わずハモってしまう

真田「うむ。では、洗濯室に行ってくる」

真田先輩が階段を上ったのを確認すると息をつく

「なんだろ…」

考え込もうとしていると赤也が焦っている

切原「お前とりあえずサラシ巻いてこいよ!」

言われて思い出した

「行ってくる」

慌てて部屋に戻りサッとサラシを巻く

そしてまた慌てて部屋から出る

真田先輩はまだらしい

「先、部屋に入ってようか」

そう言うと赤也も頷いた

二人で真田先輩の部屋に入り、取り敢えず地べたに座る

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