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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第6章 ケジメ


切原「なぁ、もう気持ち固まってんだろ?」

そう言う赤也は空を見上げたままだ

「うん。聞いてほしい」

私は赤也の方へ向き真剣な顔で向き合う

それに気づいた赤也もこちらへ向き真面目な顔になった

「私ね、

赤也の気持ちには応えられない」

それが、私の出した答えだった

切原「…………」

赤也は分かっていたのか何も言わなかった

「海堂のことが好きとかじゃないの。
私にとって赤也は親友で、それ以上にはなれない。
唯一無二の親友で幼馴染みで…そういう大切な人で…」

涙が止まらなかった

赤也のことは大好きだ

勿論、親友として

好きだと言われて、お前しかいないと言われて、キスをされて

私も赤也のことが好きなのだろうか?と思った

私の大好きはそういう意味なのかなと思った

けれど違う

私の心が違うと言っているの

彼は私の愛すべき人ではないと

彼が愛すべきも私ではないと

私の心は“違う”と、ひたすら警鐘を鳴らしている

赤也の気持ちが痛いほど伝わっていたのに

私はそれに応えられない

溢れる涙が止まらない

何かが私をそっと包んでくれた

顔を上げると、今にも泣いてしまいそうな赤也の顔が見えた

切原「辛いこと言わせてごめん。でもちゃんと言ってくれてありがとう」

後半は涙声だった

それを聞くと私の涙はもっと溢れだした








暫く二人で泣いたあと、落ち着いた頃に赤也が口を開いた

切原「もう一度やり直したい。親友として」

私は静かに頷いた

切原「今までみたいにバカやって、遊んで、テニスして、またそんな関係に戻ろう」

そう言った赤也の顔は、腫れ物が取れたようなスッキリした顔をしていた

私も気持ちに整理をつけられた

「もちろんだよ」

心からの笑顔を見せられた

そんな気がした

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