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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第5章 私は幼馴染みとキスをしました


すっかり海堂の胸にお世話になってしまった

「ごめん。もう大丈夫だから」

そう言って海堂の胸から離れると、もう涙は止まっていた

「そうか。ならいい」

穏やかな顔でそう言った海堂に疑問を持つ

危ない目にあわせたのは私なのだ、怒ってくれてもいいのに

彼は絶対に私に怒らないだろう

「もう大丈夫そうか?」

そう尋ねればああ、と返答が来る

「もう練習は始まってんだろ?いくぞ」

そう言われ手首を掴まれた



私達は医務室を出て静かに歩いている

海堂は私の右手首を掴んで離さない

「本当にごめん」

気まずくてそう言えば、彼は溜息を一つ漏らした

「もう気にするんじゃねえ」

彼なりの優しさだ

「わかった」

そう返せば心底安心したように、穏やかな顔つきになる

「ペース上げてランニングしねえと、練習で日吉一人にしちまうぞ」

そう言われはっとする

日吉と一緒に練習する約束をしていたのをすっかり忘れていた

「あのでけーグラウンド20週かー…」

溜息ひとつつけば鼻で笑われてしまった

私の右手から暖かみが消えた頃、目の前から竜崎先生が小走りにこちらにやってきた

竜崎「おい海堂。大丈夫なのかい?」

海堂「ただの打ち身ッス。」

竜崎「痛みが来たらすぐ見てもらうこと。いいね?」

海堂「わかりました」

竜崎「二人ともランニング20週行ってこい」

「「はいっ!」」

私達は他のメンバーに迷惑をかけないようにペースをあげてランニングに行った

走り出してすぐ、彼は私に言葉をくれた

「お前が何を悩んでいるのか知らねえが、言いたくなったら言え。全部受け止めてやる」

その言葉に救われた

その言葉に背中を押された

その言葉に迷いを裁ち切られた

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