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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第5章 私は幼馴染みとキスをしました


触れるだけの、優しい優しいキス

どのくらい唇が重ねられていたのだろう

気づくと赤也の唇は離れていく

私は何の解決も出来ないまま、離れていく赤也の顔をただ見つめた

勢いとは言え、恥ずかしいのか少し頬を染めている

涙で潤んだ目と赤く染まる頬

初めて見る幼馴染みの色気のある顔

私は彼の何を見ていたのだろう

お互いに声を発することが出来ないでいた


真田「おい、赤也!そろそろ行くぞ!」

廊下から真田先輩の声が聞こえ、二人で我に返る

切原「先に行くわ」

そう残し、赤也は部屋から出て行った

真田「お前、何泣いてるんだ?」

廊下からは真田先輩と赤也の声が響く

切原「いやー、景色があんまりにも綺麗だったもんで」

真田「そんなことで涙を流したのか!たるんどるっっ!!」

切原「いてーッスよ副部長!」

声は遠くなり階段を下る音が聞こえて、ようやく私も赤也の部屋を出た

海堂「お前、なんで切原の部屋から?」

海堂も私を探していたのだろうか

こちらへと駆け寄ってくる

「赤也の部屋も同じ造りなのかと思って」

咄嗟にいい案は出ないものだ

海堂「……?」

突然、海堂がこちらに歩み寄り私の頬に触れた

「!?!?海堂!?」

あまりのことに声が裏返る

海堂「あ、いや、水滴がついてたから…」

水滴?もしかして赤也の涙だろうか

「汗じゃね?というか俺らも行こうぜ」

気持ちを男に切り替えると私達はミーティング室に向かった

海堂「(汗かいてねーし、目に泣いた跡がねえ。まさかさっき泣いてた切原の涙か…?)」

珍しく冴える考えをした海堂は

そんな近い距離にいたのか?

と疑問を持たずにはいられなかった

けれど聞くことも出来ず、二人でミーティング室に向かうのだった
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