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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第10章 真実と覚悟


「お、おれ、立海に戻る気なんてありません!」

必死に乾先輩に訴える

乾「返す気なんてないって」

彼は苦笑いをするとみんなに向き直る

桃城「大事な仲間を、くれと言われてやるわけにはいかねえよなぁ、いかねえよ」

そう言った桃が、こちらを不敵な笑みで見ていた

海堂「誰がくれてやるか」

珍しく海堂も便乗してそう言う

乾「まあ、そう言う訳だ。悩みは晴れたか?」

私の心配や不安なんて筒抜けだったようだ

ふっと笑ってから頷いた

乾「それじゃあ戻るか」

その言葉を合図に皆それぞれ、自分の施設へと戻っていった



嘘は終わった




私の気持ちはすうっと落ち着いていく

練習試合は身体が軽く感じていつもより頭が研ぎ澄まされている

相手の動きもよく見えるし

ペアの相手、赤也の動きも良く見える

赤也の言った“気持ち悪いほど”動きが読めた




「あーあー、惜しかったなー」

私は手元のご飯を頬張りながら呟いた

赤也は何も言わずに黙々と食事を進めている

私は試合の結果よりこの後のことが気になって仕方がなかった

口にしている事と裏腹に考えは海堂のこと

真実を知った海堂が私に話したいこと

昨日の海堂の言葉を脳内で反芻する

“明日のこの時間空けとけ。その時話す”

妙な緊張感で、いつもよりご飯の通りは良くない

食事が終わると待っていたとばかりに海堂から声がかかった

海堂「行くぞ」

私は静かに頷くと、海堂の後ろについて食堂を出た

私達の緊張した面持ちを、不思議な目で見ていた彼等の事に

気づかぬまま
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