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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第10章 真実と覚悟


菊丸「一体どーいうことなのさ、吉野!」

名前を呼ばれ、びくりと肩が跳ねる

「言葉のままです。今まで騙していてすみませんでした…。」

そう言うと頭を下げた

間髪入れずに乾先輩が経緯を説明してくれた

私が、元立海の女子テニス部であったこと

女子の中では強すぎたこと

そしてもうそこではテニスは出来なかったこと

全てを話し終えた乾先輩が一息つくと、絶望に満ちた顔の桃がぽつりと呟いた

桃城「強いからいびられて強制退部?なんだよそれ…」

男子からしたら有り得ないかもしれない

乾「女子とは、男子以上に上下関係に厳しいものだ。

縦社会なんだよ、桃」

その言葉に皆が絶望していた

「でも、俺は青学に来て救われました」

本音をぶつけてみた

正直、裏切り者のレッテルを貼られるものだと思っていたのだ

予想外な皆の反応に私の気持ちは少しずつ穏やかになっていた

菊丸「正直、ちょっとびっくりしたけどさ。

吉野が女だろうと、もう青学の仲間だ!」

その言葉に、私は涙が出そうなのをぐっとこらえた

河村「ああ、もうウチの一員だ。けど、どうして今この話を?」

確かにと思いながら乾先輩の方を見ると複雑な顔をしていた

乾「合宿に来てから吉野の精神状態が良くなかった。

立海の人間は過去を思い出すトラウマだからね。

それに、向こうは吉野を取り戻そうとしている。

時期部長候補の切原を支える人間を欲しているんだ。」

私は初めて聞く情報に背筋がぞくりとするのを感じた

乾「筆頭は幸村と蓮二であろう。真田は何も知らないと思う。

俺は、吉野を立海に返してやる気なんてさらさらない。

だからこそ皆が知っておくべきだと思ったんだよ」

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