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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第10章 真実と覚悟


あの後私達は無言のまま部屋へ戻った

だが、気まずいとは思わなかった。

なんだか居心地が良くて、離れたくなくて

それでも部屋の前までくればお別れ

「また明日。お休み」

そう言えば、「ああ」と素っ気ない返事が返ってきた

私は部屋に戻ると猛烈な睡魔に襲われた

なんとか目覚ましだけはセットして、ベッドに潜り込んだ

そしてすぐに意識を手放し、暗闇へと落ちて行った











眠る前になんとかかけておいた目覚ましの音でぴくりと跳ねた

眠い、まだ寝ていたい

5分ほどゴロゴロしていたが時間が勿体ないので起き上がり顔を洗った

ランニング用のシャツと短パンに着替えると、柔軟をしてから早朝のランニングへと向かった

大きなグラウンドを通り施設の周りをぐるりと周回していると珍しく声がかかった

乾「やあ、奇遇だな。おはよう吉野」

振り返ると後ろから乾先輩が走ってきていた

私の隣に並んだので挨拶を返す

「おはざーっす、乾先輩もランニングっすか?」

そう尋ねるとそうだと即答が返ってきた

そして何故だかこちらを伺うように隣を走っている

「あの、どうしました?」

そう尋ねると少しの間があり、ゆっくりと口を開いた

乾「吉野は、青学でテニスを続けたいか?」

真面目に問われ思わずぽかんと口を開けて乾先輩を見た

「え?それ打ち合わせでもしてたんですか?」

思わず口にしてみたが、乾先輩の方もぽかんとしてしまった

乾「どういうことだ?」

どうやらそういうことではないらしい

私は思わず笑いが零れてしまい、乾先輩はといえば更に怪訝な顔になってしまった

「いえ、すみません。昨日海堂にも同じことを言われたもので」

私は笑いをこらえつつ答えた

乾先輩は合点がいったと顔に出ていた
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