第17章 新年の宴/織田信長陣営
「ふぅー……」
ちょっと呑みすぎちゃったかな?
頬も熱いし、息もちょっとだけ苦しいかも
「愛香、大丈夫か?」
「……まだ意識はありますよ」
心配そうに覗き込んでくる秀吉さんにそう答えると、ふっと息を抜いて優しい眼差しで私を見つめてくる。
なんか、秀吉さんにそんな風に見つめられたらドキドキとしちゃう。
(お酒のせいだよね?)
「呑みすぎるなよ」
大きな手のひらが私の頭をぽんぽんと撫でる。
なんだか小さな子供になったみたいで、気恥ずかしい気持ちでいっぱいになっちゃう。
「うん。もう吞まないよ」
「愛香、ちゃんと食ってるのか?」
「はい! 美味しく頂いてますよ」
「これは自信作だ。食えよ」
私のお箸を取り小鉢に入っていた茄子を……
え?
口元にあるんだけど?
まばたきをしながら政宗さんを見つめていると、口角をあげ悪戯っぽく笑っている。
「ほらっ……早くしろ」
は、恥ずかしいよっ
「自分で食べますからっ」
「いーから、食えよ」
強引に口元に茄子を押し付けられて、仕方なく口を開けて茄子を入れてもらう。
「なんだかいやらしいな、お前」
「え?」
「愛香の口……妙に色気がある」
「……っ」
耳元でそんな風に囁かないでよー
息がかかってくすぐったい。
「俺がお前を食いたくなっちまうだろ」
ちゅっと音がして耳に口付けされたのがわかると、体が一気に熱くなって頭が惚けてきちゃうよ
「……からかわないで下さい」
「ん? 俺は本気だぞ」