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青春あやまち論 【黒子のバスケ】

第9章 私も行く



にしても、先輩たちは全員お返しをしてくれたというのに、一年生メンバーは誰一人としてお返しがない。

別にお返しが欲しくて一か月前に渡したわけではないが、なんとなく寂しいような腹立たしいような複雑な気持ちになる。


「華澄、桃井」


モヤモヤとしたまま朝練が終了した後、片づけをしている私たちの元へ征十郎がやってくる。

お、ここで渡すということなのね。と思ったのだが、残念ながら征十郎の手にはそれらしきものは一切見受けられない。


「赤司君、どうしたの?」


さっちゃんが尋ねた。


「今日、昼休みは暇か?」

「うん。何もないけど」

「私も」

「そうか。では空けておいてくれ」


私たちの答えを確認すると、征十郎はそれだけ伝え、体育館を去っていった。


「何だったんだろう」

「さあ」


彼の考えることはいつもわからない。

お返しの品も渡さずに、昼休みを空けておけだとか意味が分からない。

さらにモヤモヤとした気持ちを抱えた私とさっちゃんは片づけを終え、体育館を出て、部室に道具をしまい、それぞれ教室へ入っていった。

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