第1章 犬系彼氏、ケン
台所に着くとケンは置いてあった鍋を覗き込んだ。中身は確か、昨日のカレーの残り。
「カレー、あるよ!」
「朝御飯がカレー...か...。」
胃もたれしそう、と考えるもケンがうきうきと待っているので仕方無くカレーを温め始めた。充分温まった所で火を止める。夜セットしたご飯が炊けていたのでカレー皿によそう。
「ケン、私目玉焼き作るから運んでくれない?」
「はーい!」
元気な挨拶をして彼はお皿を食卓へ運んでいった。
「「頂きます!」」
私とケンは向かい合って座り、頂きますと手を合わせた。ケンはスプーンでカレーとご飯を混ぜて口一杯に頬張った。
「おいしーーっ!」
もきゅもきゅと動く頬を眺めながら私もカレーを口へ運ぶ。うん、二日目のカレーはやっぱり美味しい。
「おかわりーー!」
「早っ?!」
スゴいスピードで一杯目のカレーを平らげたケンは二杯目に取り掛かる。彼の食欲にはやっぱり感動する...。あまりに美味しそうに食べるから、もっと美味しいものを食べさせたくなってしまう。甘いなぁ、私も。
「ごちそうさまでした!」