第11章 Guitar Lesson
「律儀やなぁ、花音ちゃんは」
「何?ヤスのタイプなん?」
「さぁ、どうやろな」
「お待たせしました。
緑茶で良かったですか?」
「おん、かめへんよ」
「ありがとぉな、花音ちゃん」
「いえ」
「ここってギター弾いても大丈夫なん?」
「大丈夫ですよ、安田さん。
大家さんや近所の方には許可取ってますから」
「へー、そうなん」
「じゃあ気にせんでもええんやね」
「はい」
「楽譜持って来てるやんな?」
「勿論です」
安田さんと話している間、大倉さんは1人黙々とお茶を飲んでいた。
「難しいところがあったら言うてや?
教えるし、どうしても弾けへんかったらちょっと直すぐらい出来るし」
「分かりました」
「花音ちゃん、お茶お代わり」
「良いですよ」
大倉さんからコップを受け取り、お茶を注ぐ。
「どうぞ」
「ありがとう」