第8章 7人目❤化学 カインセンセー
いつの間にか教室にはあたししか居なくなっていた。
(…ぁぁ早く帰ろ)
と鞄を抱え込むと、ガラガラ…と音を立てて扉が開いた。
「…あれ?あいつこっちに来なかったか?」
と険しい顔したカインセンセーが立っていた。
「……あいつって…誰ですか??」
のあたしの質問は間違ってない筈。
なのにカインセンセーはもっと顔をしかめて
「…あいつっつったらアランだろうが。全く…どこ行き…あっ!お前!単位どうすんだよ?このままじゃもっかい3年だからな。」
と睨みつけられた。
(…めっちゃ自己中!!)
「じゃ、どうしたら単位くれるんですか?!」
つられてあたしも声を張り上げた。
すると、カインセンセーは目を見開いた。
「なんでお前が逆ギレしてんだよ…クソ」
口の悪いセンセーは、目をそらすと何か考える顔をした。
(この間はナニ…?)
「よし、明日だ」
「はい?」
「だから明日、特別に俺様が課外授業してやる」
勝手に決めて、センセーはホクロのある唇を釣り上げて笑った。
ゾクっ…
(な、なに!?ちょっと見とれちゃった)
「化学の教科書、持ってこいよ」
「は、はい!」
こうして、あたしはカインセンセイと約束してから帰った。