第4章 3人目♥音楽 ノアセンセー
保健室には廊下側と窓側に一つずつベッドがあって、窓側のベッドがあたしのお気に入りのサボり場所。
教室とは違って物静かな部屋に腰をさすりながら進み入ると、お気に入りのベッドで寝息を立てる大きな身体が見えた。
「……………ノアセンセ…?」
ゆっくり近付き顔を覗くと、その端正な顔立ちに吸い込まれそうになった。
(センセーなのに何してんの…?)
思わず頬を緩め、しばらくその寝顔に見入ってしまう。
(気持ちよさそ。)
とりあえずお気に入りのベッドは譲ってあげる。と思い背を向けると、
「…一緒に寝よっかー?」
と後ろで声がした。
ハッとして振り向くと、ノアセンセーが掛け布団を上げて微笑んでいた。
「いっ…いえ」
とあたしが後退りすると、
「そお?…俺は優しーよ?チャンスだと思うんだけどなー」
と意味深な事を言いながら、手を差し出して来た。
(…??)
あたしは考えるよりも早く、その手を握ってしまっていた。
するとグイッと引かれて、センセーの腕の中にスッポリと収まった。
「ヒャッ!!」
と思わず声を上げると、
「しー…保健室では静かにねー」
と布団を掛け直した。