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苦しみの中の幸せ〔銀魂 土方おち やや逆ハー〕

第3章 いざ、江戸に行かん!?


阿「それにしても、上も考えるもんだな」
『学校の教師だって、問題児にはそれ相応の応対をするでしょ?それと同じよ』

でも、私も阿伏兎に同感だ。

今回、私が江戸に行く目的はただ一つ。
幕府の内部にゆすりをかけ、春雨と幕府が繋がりやすくするための手助けをするというものだ。
簡単に言っているが、遂行できるかと問われれば、答えはノー。

まず、幕府関係者との繋がりを持たなくてはならない。
そんな繋がりはどこにも存在しない。
それどころか、元攘夷志士の私は、江戸に行った時点でお縄を頂戴する可能性だってあるのだ。

『どうやって内部と繋がろうかね…』
阿「こそこそするのが苦手なアンタにしてみたら、一番やりたくない仕事だろうよ」
『その通り』

まあ、と阿伏兎はため息交じりに言葉を紡いだ。

阿「俺らの団長だ。どこかでお陀仏ってことは考えてないんでな」
『当り前よ。首だけになってでも帰ってきてやる』

そう言って、私は不敵な笑みを浮かべれば、阿伏兎は肩をすくめた。

身支度は必要ない。
生活に欠かせないものは、向こうで調達をする。
持っていくのは、現金。
目立たないよう、派手すぎない着物に着替え、脇差を胸に潜ませた。

阿「気をつけてな」
『分かってるって』

カプセル式の小型宇宙船の扉が閉まる。

と思ったが、無理やりこじ開けるバカ登場。

神「姐御!!」
『・・・神威、壊れるからやめてくれる?』
神「江戸に行くってどういうことだよ!?」
『そのままの意味だけど?』
神「そうじゃなくて!!」

キャンキャン子犬のように吠えまくる神威。
オレンジ色の三つ編みを思い切り引っ張れば、大人しくなった。

これはリードか何かか。

『神威、私がいない間、部隊をよろしく頼むね』
神「なんで姐御が・・・」
『すぐに帰ってくるから、そんな捨てられた子犬みたいな瞳しないで。可哀そうに見えるから』

よしよし、と両手で神威の頭を撫でる。
終始むくれていたが、機嫌を直したようだ。

神「絶対帰ってきてよね。姐御がいなかったら、体が鈍って仕方ないんだからさ」
『はいはい、帰ってきたらいつでも相手してあげるから』

今度は誰にも邪魔されることなく、扉は閉まった。
自動飛行、目的地は江戸。

『さてさて、張り切っていきましょうか』
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