第1章 1話完結です
眼が覚めると真理の扉の前だった。
白い空間。暖かくもなく寒くもない。
よし。
「私の真理の扉をエドの真理の扉と交換して」
キャスリンが、叫ぶ
ーいいだろうー
どこかから声がすると、キャスリンの扉は消えて、エドの扉が出てきた、エドの足と共に。
そして、キャスリンは再び叫ぶ。
「エドの足を返して」
しばらくすると、いいだろう、と声がした。
アルの扉を通行料にしてエドの扉で帰るわ。」
と、キャスリンは叫んだ。
ーそれは出来ないー
低い声が白い空間に響く。
気付けば、後ろには白いモノがいた。人間…ではない。
名前があるならそれは、私。いや、アルの扉の前にいるからアル自身なのか?
「どうして?」
と、キャスリンが聞くと
白いモノが答えた。
ー人の真理の扉は、開けるコトも出来ない、壊すコトも、君がしたように交換するコトも。その扉の本人がいれば問題ないのだがー
「どうすればここからでられる?」
ーあの2人がココにくれば君の体は五体満足で帰れるかな?もし、こなかったら…ココにずっといるか…君から通行料をもらうかー
キャスリンは、絶望と恐怖の渦に巻き込まれた。