第2章 澤村大地 『君ありての幸福』
「そうやって人を思いやれる所
…大好きだよ…」
2人の間につよい風が吹いて、
はっきり顔を見られなくてよかった。
「ありがとうな。
俺もすいれんの真っ直ぐで素直な所
大好きだ。俺の自慢だな!」
分かってる。
『大好き』の種類が違う事。
でも今だけは、
あたしだけに向けて言ってくれたから。
少しだけ許して下さい。
「全く…
お前はなんて顔してるんだ。
ほらタオル貸してやるから…。
」
あたしは泣きながら笑った。
「違うよぉ…
あ、あたしね、嬉しいんだよ…
ありがとうね
…お兄ちゃん。」
いつか
この気持ちが消えるくらいの人と出逢えたら
笑顔で報告出来ますように。
お兄ちゃんの未来に素敵な人が現れますように…。
END