• テキストサイズ

過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第9章 逢いたい










ナナシが帰ってきたという知らせは調査兵団全体に行き渡り、
ナナシの部屋には見舞い客が多く訪れた。


「ナナシさぁぁ~ん、本っ当に心配しました!」

「でも無事で本当に良かっ・・・ガフッ!!」

「ちょっとオルオ!何で肝心な所で舌を噛むのよっ!?」


今はリヴァイ班がナナシの部屋を訪れていて、
ペトラとオルオが漫才のようなやり取りをしていた。

グンタとエルドは静かに微笑みながら、ナナシの無事を喜ぶ。


「団長を庇って撃たれたって聞いた時、以前話していた答えが
出たのかと思いました・・・不謹慎にも」


エルドが苦笑しながら言っているのは、
以前恋愛がよくわからないと相談したからだろう。

確かに彼の言う通り答えは出てしまった。

だが、ナナシがそれを素直に受け入れるわけにはいかない事情も
出来てしまい、目を伏せる。


ナナシの様子にエルドが口を開きかけた時、
「何の話だ?エルド」とグンタに聞かれたため、
エルドは「内緒」と口許に人差し指を当てた。


「何だ何だ~?隠し事か~?おまえ団長に殺されるぞ、エルド」

「団長も知っているから問題はない」


オルオが絡んできたがエルドは涼しい顔でそれを流していると、
グンタが「団長といえば・・・」と話し始めた。


「折角ナナシさんが帰ってきたのに、どうして団長は
地下牢で仕事をしているんだろうな?いつもだったら
毎日見舞いに来たりしそうなものなのに、
ずっと牢屋に入りっぱなしだろう?

おかしいと思わないか?」

「あぁ、それは私も気になってた。・・・ナナシさんは
何かご存知ですか?」





/ 403ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp