過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第4章 再び地下街へ
「―――さて、お連れさんの用件も聞こうかの」
「初めまして、私の名はエルヴィン・スミス。
調査兵団の団長をしている者です。
単刀直入にお尋ねしますが・・・」
「あの方が今どこにおられるかは知らんぞ。
小僧にもそれは伝えた」
「・・・では、ナナシの過去について是非お聞かせ願いたい。
貴方は『狼』の生き残りでしょう?」
その言葉にクレイグは驚愕の表情でエルヴィンを見遣った。
初めて聞かされた内容に疑問を持ちつつリヴァイとミケは、
二人のやりとりを黙って見守る。
「・・・はて、何のことやら」
「惚けなくても結構だ。私は既に多くのことを知ってる。
『狼』という組織、改造された第一部隊の存在とその圧倒的な能力、
それを束ねていたソロモン団長の最期、・・・そして・・・」
「もう良い。何も言うな」
エルヴィンの言葉を止めたクレイグは手で顔を覆い深く息を吐くと、
エルヴィンに問い返す。