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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第30章 続・不運な男











「ナイルは『ナナリー』しか知らない。
その姿で行くつもりなのか?」


ナナシはいつもの軍服に男の姿をしていて、
ナイルが見知っている女の姿・・・『ナナリー』の姿をしていなかった。

エルヴィンに指摘されるまで失念していたナナシは、
どうすべきか考え込んだ。


女の姿になっても良いが、服のサイズが微妙に変わってしまうし、
三人の目の前で女の姿に変身するのもどうかと思う。


男の姿で「自分がナナリーだ」と言って、果たしてナイルが信じてくれるか・・・・。

いや、そもそも別にナイルに男の姿を晒す必要もないのだから、
女の姿になるのが筋だろうか?



うーむ・・・と悩んでいると、いきなりエルヴィンが馬車を停めさせ、
ナナシを外に連れ出し一軒の店に入った。

そこは女性ものの服を売っている店で、エルヴィンが
「女になれ」と暗に言っているのだと気づき、呆れたように
彼を見上げる。


「・・・エルヴィン、別に服は・・・・・」


多少サイズが合わなくなるが、
立体機動用ベルトを外したりすれば問題ない、と言おうとしたが、
人の話を聞かないことで定評のあるエルヴィンは
熱心にナナシの服選びを始めてしまった。

後から着いて来たリヴァイとミケはそんな彼に呆れながらも、
振り回されることに慣れているので黙って見守るだけだった。





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