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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第16章 襲われる













「さぁ~て、男かな?女かな?」


下卑た笑い声は正直不愉快だった。
ズボンを脱がし白い足が外気に晒されると男達が喉を鳴らす。


「これで男だったら詐欺だな・・・」


次にシャツのボタンを順々に外されていくのを他人事のように
見つめながらナナシは気持ちが悪いと思った。

エルヴィンに触れられた時は不快感など覚えなかったのに、
この兵士達に触れられていると酷く気持ち悪く思える。


ここで大人しく服を脱がされてしまったら、
自分が化物だとこの男達にわかってしまうだろう。

きっと「化物!」と蔑まれ、業者とやらにレア品として売られるのだ。




何ともつまらない人生の幕引き・・・・。






そこまで考えてナナシは気づく。



どうせこのままだと化物という事が露呈してしまうのだったら、
本性を現して暴れても良いんじゃないか、と。

今までエルヴィンやリヴァイ達に化物として扱われることに
恐怖を感じていたが、そもそも自分は化物なのだから
そう扱われるのは当然である。


リヴァイ達はまだ自分の異常な身体を知らず、
ナナシが化物という事には半信半疑なはずだ。

このままこの男達に犯されるくらいだったら、
いっそ化物としての本性を現してリヴァイ達に一緒にいて
良い存在ではないと思い知らせば良い。


そうすれば調査兵団は化物としてナナシを手放すだろう。


何でこんな簡単な事に気づかなかったのだろうか。
簡単に全てが崩れて終わる。





ぬるま湯のようなこの状況が全て・・・・・・。







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