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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第16章 襲われる















地下牢から逃げ出したナナシはトボトボと廊下を歩きながら、
色々なことを考えていた。


エルヴィンから離れたいのに離れられない現実と、
リヴァイ達の事。

『心臓』の事。

『異世』の事。


このまま誰にも告げず、こっそり調査兵団から逃げ出したら
どうなるだろうかと思ったが、すぐにエルヴィンが
どこまででも追ってきて、自分を捕まえるはずだと考え直す。


実際それを思い知った身としては、
その選択肢を選ぶべきではないとわかっている。

だが、自分がエルヴィンの傍にいるのは良くない。

ではどうすれば良いか・・・・


先程からそればかりがグルグルと頭の中を回り、
一向に打開策は見つからなかった。





途方に暮れていたせいでナナシは周囲への注意が散漫となっていた。

突然、廊下の暗がりから伸びてきた無数の腕に身体を拘束され、
声を上げる間もなく空室へ連れ込まれてしまった。


口には猿轡を噛まされた上、両腕と両足を縄で縛られ
床に転がされて、やっと己に起きた状況を把握する。





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