第40章 第39セット
*優side*
苦しい。
苦しい。
一瞬足りとも目が話せない試合展開。
それぞれの読み。
想い。
すべてがあのコートで表現されている。
なんで、なんでなんでなんで
なんでこんなにも頑張っている彼らに
一言も言えないんだろう、、、
苦しくて涙が出てきた。
気づけば賢太郎が英と交替させられていた。
賢太郎ッ、、、
ウォームアップゾーンで秀くんが賢太郎に何かを言っていて、突然賢太郎の胸倉を掴み、壁に押し付けた。
その後コートに戻った賢太郎に徹がトスを上げた。
問答無用で無慈悲な信頼。
賢太郎の顔に今日初めて見る緊迫
打ち切ったボールは大地くんの腕を弾きコートの外へとばされた。
及「よく打った」
京「、、、、うす」
カチンッ
壊れていた歯車が
再び咬み合う音がした。