第38章 第37セット
烏野が防戦一方になっていたが、大地くんの一言と安定したレシーブで落ち着きを取り戻し、五分五分の試合をしていた。
谷「なんて言うか、特別すごい選手とかがいる訳じゃないですし、大雑把なカンジしますけど、やりづらそうですね。」
滝「日向に打たれまくってるしな!」
確か前に調べたことがある。
条善寺はいつも練習の半分以上を“2対2”の試合に費やしている。
あの広いコートに二人でやることに慣れているから、“誰かがやってくれる”という感覚が薄くて常に全員が攻撃を仕掛けるつもりでいる。
だからこそコート内でぶつかる、ということも多々ある。
それに、彼らはとにかく自由にプレーをするため、セッターがアタックを打つなんてこともある。
ちょっとだけ青城に似てるね。
谷「セッターじゃない人がトス上げてっ、セッターの人が打ってっ、、、!?ゴチャゴチャ!すごい!」
滝「日頃からやってんだろうな、ああゆう事。結果的に相手ブロックを惑わしてるワケだけど、、、それより、『打ちたくなったから打つ』っていう自由度がすげえわ
それを可能にするメンタルも技術もな」
客「条善寺のバレー見てておもしれーな!!」
そうだろうね、私もそう思うよ。
全力で、本気で遊んでる。
“勝負事で本当に楽しむ為には強さがいる”
条善寺の人達を見ているとそんな感じなのかなっても思うだろう。
私は違うけどね!
バァン!!
「!?」