第38章 第37セット
連れてこられたのは外のちょっと周りからは死角になっている所。
及「優。久し振りにアレやって、、、?」
柄にもなく緊張してきちゃったよーなんて笑ってるけど、きっとプレッシャーがきついんだと思う。
徹だって完璧ではない。
だから試合前、たまにこうしてお願いされる。
腕を広げて待っているとそこに徹が入ってくる。
背中をさすりながら、少しでも徹の不安を取り除けるように、、、
大丈夫。
あんたは一人じゃないよ。
私が、はじめが、チームのみんながいる。
みんなあんたを信じてる。
だからみんなを信じて。
勝って、全国へ。
声には出せない想いを、必死に伝える。
ぎゅうっと苦しいくらい抱きしめてきた後、ありがとうと言った徹は不安の欠片もないくらいスッキリとした表情をした。
及「じゃあ行こっか。」
徹の隣に並んで歩き、
これから始まる試合にワクワクが止まらない。