第32章 第31セット
相変わらず、綺麗にされた家。
棚には俺たちのガキの頃の写真や、優の選抜の写真。
夏祭りや中学の卒業式、文化祭のまである。
おれら、いつも一緒じゃねぇか、、、
ふとテーブルに目を向けると束になって置かれたルーズリーフがあった。
あれ俺が優にやったやつ、、、
文字の書かれた方を見ると、そこには優の綺麗な字が並べられていて気になって何枚か目を通した。
学校であったことや俺たちバレー部のこと、烏野に行った時のこと。
それと、
俺の知る何人かに告白されたこと。
モヤっとする俺の心。
俺にそんな資格ねぇのにな、、、。
パラッと落ちた一枚を拾おうとした。
その紙には、たくさんの“ごめん”という言葉と、
優の本音が書かれていた。
思わず目を背けてしまいたくなるほどの優の気持ち。
一体どれだけ我慢してきたのだろうか。
どれだけ我慢させて傷つけてきたのだろうか。
誰かに思いっきりぶん殴られたい気分だった。