第31章 第30セット
菅「あー、付き合わせちゃってゴメンね?」
二人で笑ったあと帰ることになって公園を出て、孝支くんに家まで送ってもらった。
《今日はありがとう。》
菅「いーえ!俺の方こそ、一緒に行ってくれてありがとな」ニカッ
じゃ!と家に入ろうとしたら
「好きだ。」
後ろから、聞えた。
振り向くと孝支くんが切なそうに笑っていて、なんのことだか一瞬理解が遅れた。
菅「ごめんな。言うつもりなかったんだけど」
あっちゃーと顔を片手で隠しながら項垂れる孝支くんはどこかスッキリしていて
菅「うん。やっぱ、言いたいことちゃんと言うとスッキリするね!」
なんて笑っていて、
言われた側の私はスッキリしなくて
菅「返事は急がない。ゆくっりでいいから
ちゃんと考えてほしい。
優ちゃんに傍にいて欲しいんだ」
言いたいことを言い切った孝支くんは今度こそじゃーなと言って帰っていった。
その光景を誰かが見ていたとも知らず、私はドアの前で立ち尽くしていた。