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【ヘタリア】突然現れた味音痴【攻男主】

第7章 旅行編




「………なんだ、うごかねぇのか」

目を瞑っているからアーサーがそこに辿り着いたのか触ったのかは分からないが、アーサーの残念そうな声が聞こえておそるおそる目を開けてみる。

「そんなビビってんなよな、別になんも出てこなかったじゃねぇか」

「なっなんだよ!そんなビビリ言わないでくれるかい⁉︎なおだって怖がってるじゃないか!君の反応がおかしいって気付きなよ‼︎」

「うっせぇな、怖くねぇもんは怖くねぇんだよ
つーか、ここって…なんか実験でもしてた所か?さっきの死体も解剖されてたしな。て事は、実験体保管室って事か?嫌な所に迷っちまったな」

「………よ、よく、分かったねアーサー」

「別にここに置いてある道具とか器具見てみろよ、保管してある人体も結構あるし、そうとしか思えねぇ」

(そこまで隅々見てたんだなぁ、怖すぎて俺はそれどころじゃなかったのに)

「そんなの知らないよ!早く違う所行こうよ!」

「はいはい」

お化け屋敷に入ってからアーサーは何か楽しそうだ。…もしかしてアルに頼られているのが嬉しいのかもしれない。アルが早くこの部屋から出たいと騒ぎ出すと呆れと嬉しいと言う感情が混ざったような表情をして俺たちがいるドア付近に戻ってくる。

「ほら、早く出ろよ」

「いやいやいや!ちょっと待ってくれよ‼︎開けた瞬間何か出てきたらどうするんだい⁉︎君が先に行ってくれよ!」

「別に俺はそれでも良いがな。お前は最後にこの部屋から出るのは怖くないのか?」

「俺は最後に出ないぞ!なおよろしく!」

「……うん、良いよ」

自信満々にアルは1番安全かつ怖くない真ん中のポジションをゲットした。本当に最後に驚かすのはやめてよ、おばけさん。とばくばくいっている心の中で祈りながら扉を閉めた。
暗い廊下に出たのは良いが、ここがどこでこのルートはあっているのかも不明の為、来た道を戻るか進むか迷ってしまう。

「来た道を戻るのもめんどくせぇし、進んでみっか」

「そうしよっか」

「アーサー、なお!先行かないでくれよ!」

扉を閉める時に一旦離した腕をすぐさまアルは強く握ってきた。俺は怖がるアルをみてこの場の雰囲気に似合わない和んでいる表情をアルに向けてしまったが、目線を下に下げているアルには気づいていないみたいだった。

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