第10章 お部屋にて
「っちょ、聖星ちゃん!?」
誰かの金切り声が聞こえた。何だようるせえな。こっちは苦しがってんだよ……。
「手伝って!」
私はベッドに寝かされた。初お姫様抱っこだぜ。ってなんだよなに喜んでんだよ気持ち悪いよ。
どうせあの人たちは私が気を失ってると思ってんだろ。ぎりぎり意識あるし。ほんとにぎりぎりだけど。
しばらくして、救急車のサイレンが聞こえてきた。どこかで事故でもあったのかな。大丈夫かな。
……私用だった。いるよな、救急車のサイレンが聞こえると「俺を連れて行く気なのかな!?」とか言って妙にわくわくしている男の子とか。
私はまたくだらないことを考えながらぼんやりと救急車の天井を眺めていた。何回目かな、救急車に乗るの。