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心【NARUTO】

第7章 あやしい人・パート2


カカシと別れ家に入る。

「あら、ミユキちゃん、おかえりなさい」
「ただいま母さん。はい、お団子」
「ちゃんと買い物できたのね、偉いわ」
「えへへ」

ミコトさんに頼まれたお団子を渡して、わたしは縁側に向かった。

縁側はわたしの定位置となりつつある。

修行をするときも、遊ぶときも、本を読むときも。
いつもそこで何かをする。

今も特に何があるというわけではなかったが、なんとなく行きたくなった。
平たくいえば、癖だ、癖。


ざわざわと庭の木が揺れる。


前世での、“都会”ではあまり見られないような、わたしからすると、すこし古く思える庭。

前世はこういうものには、興味がなかったはずだが、転生したせいなのか。
こういうものを、趣深い、と思うほどには、風流な心が芽生えていた。


その庭に面する縁側で、忍術に関する本を読み返していると。


急に何かの気配が出現し、わたしは反射的にとびのいた。


座っていた場所には三本のクナイ。
飛び退かなければ怪我を負うか、最悪死に至っていただろう。

久々に感じた生の危険に、背中を汗がつたう。

「へぇ、これを避けられんのか」

どこからともなく、ククッと、どこか感心したように笑う声が聞こえた。

「誰?」

警戒しながら周囲を見回すも、声の主らしき人物は見当たらない。

「どこ探してんだよ」

と、またしても笑う声。

「どこいんの?」

見つからないことにいらいらしながら、どことも定めず空間を見つめ、低くうなる。

「ここだ」

奴はささったクナイの前に立っていた。

そのことに思わず驚く。
さっきまではそこに誰もいなかったはずなのに。

わたしが瞬きしたその瞬間に移動したのか。
ただわたしの能力が足りないだけか。

どちらにしても、あるいは、その二つ意外だったとしても、彼がわたしより数段上だということに変わりはない。

「まぁ、そう警戒すんなよ。うちはミユキさん?」

疑問というより確信で名前を呼んでいる。
それなのにわざわざ問いかける奴にさらにいらつく。

「何でわたしの名前・・・」

「んー、人づて?」

と曖昧に答え、何がおかしいのか笑う奴。
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