第8章 言えない秘密
あれから何日か経った。
涼介は相変わらず忙しくて会えない。
こんなのいつもの事だけど、涼介が言った言葉が気になっている。
采「愛湖ちゃん、ちょっと。」
片桐さんに呼ばれ、廊下へ出た。
采「あのさ…愛湖ちゃん、涼介のファンじゃないよね?」
愛「えっ?うん…。どうして?」
采「これ。私の友達がこの間送ってきて…。これって愛湖ちゃんだよね?」
片桐さんは自分の携帯を差し出した。
その画面に写っているのは…涼介と私だ。
写真は涼介と私がマネージャーさんの車に乗る時のものだった。
愛「何、これ…。」
采「私も信じたくないんだけど…愛湖ちゃんだったとしたら、説明して欲しい。私が涼介ファンだって知ってるのに…。」
そう目に涙を溜めて言う片桐さんに、
愛「私じゃないよ。」
否定した。
その瞬間、この嘘は貫き通さなければと強く誓った。