第3章 あの女の名前は
「あの娘は一体…」
「ディオさんの御知り合いでしたか?でしたら申し訳ない事を…」
「いや、次からあの女が来たら追い返してくれ」
何故あの女がここにいるのか、僕には全く理解ができなかった。
どうして今なんだ、こうしてやっと安定してきたこの生活を破壊するかのように何故いまあの女は現れた?
「…ディオ、さっきは、やりすぎたよ、ごめん」
ジョナサン・ジョースター…この家の跡取り息子。そして僕はこのジョースター家に養子として迎え入れられた。
父さんのせいで母さんを失い、実の父親を薬殺してやった。…あの男の血がこの身体に流れているだけでもう腹が立つどころか、絶望する。吐き気が襲う、こんな体をズタズタに引き裂いて自分を殺してしまいたい。
…だが、僕には双子の姉がいる。いたの方が正しいかもしれない。女の名前は、思い出すだけで寒気がする。
名は…・ブランドー、歳は変わらない双子だがとても頼れる姉だった。生まれた町では一番で美人だったし、母さんの血をしっかりと引き継いで凛とした、憧れる人間だった。
「いや…僕の方こそ、ごめんなジョジョ」
このころの話は誰も知らない。と僕しか知る人はいないだろう。
だが…何故、本当に…何故今僕の目の前にが現れたんだ。今まで知らなかった、この町にいたなんて聞いたこともなかったし、見たこともなかった。
「それで、ええと…詮索になるけど、さっきの女の子って」
「…ああ」
「エリナと仲のいい女の子だよね」
「エリナと?」
聞いたことがない。見かけたこともないぞ。
「確か名前はっていって、日本国籍を持つ父とイギリス国籍を持つ母親の娘だそうだよ」
漢字を使う名前なのか、今は。
「そうなのか」
「この辺じゃとっても有名さ、ディオは知らなかったのかい?」
「聞いたこともなかったよ」
ちっとも…聞いたことがないぞ。