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**ジレンマガール

第4章 悪者ライアー



その後、森を抜けて汽車に乗り賑やかな商店街まできたメリルと。
勿論あの後から会話はなく、汽車も隣の席でありながらお互い一切口を開かなかった。
の離れた距離を縮めようという気持ちもなくなっていた。

商店街につくと、まずGrImMsと情報のやり取りをしている武器屋の所へいった。

「いらっしゃい、メリルくん」

いかにもというような裏通にあったその店の中には金髪の細い髪をポニーテールで束ねた青年が待っていた。 目元には泣きぼくろがあり、垂れ目のどこか妖艶な雰囲気を纏うその青年はメリルの後ろにいたを見ては首を傾げた。

「おや、新しいメンバーかい? 女の子なんて珍しいじゃないか」
「リーダーがこいつを気にいっちゃってね。 っていうから、一応覚えておいてやって」
「ちゃんか。 可愛いじゃん」

青年は口元に手を添え、にっこりと口角を上げてみせるとに近づいた。

「俺はカーシー・キャボット。 GrImMsさんはお得意様でね、武器は是非俺のところで買ってよ」
「よろしくお願い……ひゃっ!」

が頭を下げようとしたところ、カーシーと名乗る青年はの頬に口付けを落とした。

「初々しくていいねえ。 俺好みだよ」
「ちょっ……い、今キス……?!」
「メリルくんこの子いくら? 3000千万までは出すよ」

カーシーは愉快だとばかりに笑いながらの頭を撫でる。 手をこまねいてそれを冷めた目で見るメリルはまた溜息を吐いた。

「君は買う側じゃない、売る側でしょ。 そいつ返してさっさと武器売れ」
「はいはい。 つまんないなあ」

をメリルの方へ返しながらも、未だにウインクをしている様子から諦めてはいないようだ。
顔を真っ赤にしたは隠れるようにしてメリルの後ろに回った。

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