第2章 @ 菅原孝支
「俺に見惚れてたなー?」
『いやっそのっ…でも、菅原くん綺麗だなって思って。』
「俺が!?ないない!柴田の方が綺麗だべ。」
『いやいや〜わたしなんて、全然可愛くないし…』
「俺は柴田、可愛いと思うんだけどなー。」
菅原くんは何の屈託もない笑顔でわたしを見る。
それだけで顔から火を噴きそうだった。
何故か赤くなる菅原くん。
わたしから目をそらした。
「…あんま可愛い顔しないで。」
『…っ…!?』
「…期待しちゃうだろ。ばか。」
『ばっ…!?』
「ごめんごめん!」
そう笑いながら菅原くんはわたしの頭を撫でた。
「おっ、雨止んだみたいだなー。残念。」
『どうして?』
「柴田ともっと相合い傘したかったなーって思って。」
そう言ってわたしに笑顔を向ける菅原くん。
やめて、わたしも期待しちゃうでしょ。
初夏の夜空が、いつもより輝いている気がした。