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久世くんには恋愛論を
第6章 恋愛論Ⅴ
「おかえり。」
久世は表情も変えず、それだけ言う。
「・・・ただいま、何、してんの久世。」
「ん、宮原が帰ってくるの、待ってた。」
なんですか、それ。
「必要だと思って、僕のこと。」
「・・・な、んで、」
「また聞くの?」
「・・・・・」
「ほら、泣きたいなら、こっちにおいでよ。」
そんな優しい言葉、言わないで。そんな言葉かけられたら、さっきまで無理やりにでも出したかった涙が、出したくもないのに溢れ出す。
「・・・っ、く、久世ぇー・・・」
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