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日常から非日常へ 【薄桜鬼】

第1章 始まり



「…………ここはどこだァァァァァ!!」



すいません、初っ端から色気も無い声出しました。
えー、今の状況を整理しよう。
まず、俺の名前は山中潤。どこにでも居る普通の女子高生。
…普通の女子高生は俺なんて使わないって?ほっとけ。

いや、とりあえず今どこにいるかってとこだよ。
俺はいつも通りに家に帰ったんだよ、寄り道もせずに…。それなのに今は、

「…京都の映画村来たみてぇ…しかもなんか服ちげぇ…つかなんで袴?」

紺色の着物に灰色の袴、髪はなぜか長くなって高い位置で結ばれている。
服装から広い道になる通りに目を向ければ、同じように袴や着物なんかを着た人達がめまぐるしく歩いてる。

「…俺いつの間に来たんだ…ぜんっぜん記憶ねぇんだけど…」

とりあえず、そのへん歩いてみるか…。
裏道を出て、広い通りへと歩を進める。





…完全に日が暮れた…。

あれから、宛もなく歩きさ迷っているとわかったことがある。
男はほとんどと言っていい奴らが帯刀していて、なんか、尊王攘夷とか佐幕とか、色々聞こえた…。
ここは、幕末か!


「…映画村の人達って役になりきってんだな…。」

そんな呑気なこと言って歩いていたら、

「よう、兄ちゃん。刀も持たずに何やってんだぁ?」

なんか来た…
つか、兄ちゃんって俺の事か?

「…別に、あんた達に関係ないと思いますけど」

俺、正論だよね、だってただのセットの中なんだから刀持ってようが持って無かろうが関係ないさ!

「あんだと!?人が親切で声かけてやってんのに…!」

ありがた迷惑!!

すると、男の一人が刀を抜く。
なんで抜くの、玩具なんだから抜いても意味ねぇじゃん。
つーか誰か助けてよー…ってこんな時間じゃ誰もってか人通りほぼ無いから無理じゃん。

「…逃げるが勝ち!!!!」


脱兎の如く、駆け出した。
待ちやがれーって追いかけてくる…ストーカーかぁぁぁ!
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